2019年9月16日(日)さようなら、俺たちの権七小屋谷。
夜明けと共に撤収し、俺たちの「権七小屋谷」を後にした。
昨晩消費した食料と酒の重さの分、ザックが軽くなった。
胃袋に移っただけで、総重量はさほど変わらないはずなのに軽い。
昨日来た道を引き返していく。
帰りはほとんどロストせず、スムーズに進めた。
モチダ谷は下りもキツかったが、登りも当たり前にしんどい。
特に苔むした岩がゴロゴロある辺りは、歩きにくい上にルートがなかなか見つからない。
大崩山は本当にルートがわかりづらかった。
マーキングテープの巻かれた枝が折れて落ちていたり、そもそも巻いてある木も少なかったり。
しばらく歩いて、間違っているのかなと不安になった頃にようやくある、みたいな。
あまり人も入ってこないので、踏み跡も判別しにくい。
やはり、ここには慣れた人や仲間と一緒に来た方が良い。
山経験の少ない人の単独行は危険だ。
帰りはモチダ谷を上がってから湧塚コースへ。
このルートも豊かな自然が美しく、ちっとも退屈しない道だった。
眺めの良い場所も多くて、遠見の岩からの景色はまさに絶景。
最後の祝子川の渡渉ポイント以外は特に危ないところもなく、午後2時前に下山。
ずっと天気も良く、最高の大崩山ハイクを堪能できた。
1日に30kmくらいは余裕で走れるトレランであれば、この行程は数時間で終わるような距離だったかもしれない。
でも、この二日間で出会ったものや見たもの、話したことなどは、ハイクでしか味わえなかったと思う。
「たまには、ハイクも良いね」
僕らは何度もそう言い合いながら歩いた。
内心では「走ってもっと遠くまで行くのもアリやな」と思っていたけど。
それができるのも俺たちランナーの強みだしね。