Jan.2020

酒と食い物をしこたま抱え、向かったのは手つかずの自然が残る宮崎県大崩山。

Monthly

2020.1.14

editHiromi Ishikawa

Run trip

宮崎県大崩山

俺たちの「権七小屋谷」。 2/3

2019年9月15日(土)秘境へ入る。

狭い車の中で微妙に足が伸ばせず、僕らは寝入ることができなかった。
お互い何度も足を上げたり寝返りを打ったり。
寝た気がしないまま朝の気配を感じ、5時半に起床。
起きてしまえば、すがすがしいものである。
身支度を整え、登山口に向かう。すでに何人もの登山者が歩き始めていた。

キャンプ地でも飲むつもりで、しこたま酒と食い物を持ってきたからザックが重い。
普段、軽いトレランザックを背負って走っている僕らには新鮮な重さだ。
これだけの荷物があれば、どこでも寝られるという安心感。ヤドカリになったような気分だ。

少し歩くと、最初の難関「祝子川の渡渉ポイント」に。
これがなかなか手こずった。渡れそうな場所が見当たらない。
けっこう流れが速くて、ヘタしたら転びそうだ。
デジイチを首から下げているから、シャレにならない。
何度も足を踏み入れては引き返し…の繰り返し。
キリがないので覚悟を決めて、なんとか渡りきる。
ここは帰りでも苦戦した。ほんと、転ばなくて良かった。
今回の山行には渡渉ポイントがいくつもあるため、ワラーチを持参。
おかげで靴を濡らさずに済み、快適だった。

登りはキツく、肩にザックの重みがのしかかる。
1km歩くのに、いったいどのくらいの時間を要しただろうか。遅々として進まない。
「落ちたら終わりやね」「滑ったらアウトよね」と何度も言いながら、大きな岩をよじ登り、ハシゴを伝い、崖をトラバースした。
こりゃ簡単に死ぬな、と何度も思った。

大崩山登山口から入り、小積ダキルートで大崩山山頂へ。
今回のキャンプ予定地は、三里河原を登った辺りの「権七小屋谷」と呼ばれるところ。
大崩山山頂より手前のモチダ谷を下っていくのだが、せっかくなので山頂も見ておこうということに。

普通だった(笑)。

特に何が見えるということもなく、あまり感動のない山頂だった。
一度行けば良いかな、という感じ。
折り返して、モチダ谷コースへ。
モチダ谷へのルートがわかりづらく、何度も行ったり来たり。
こんな時に一人だったら不安でしょうがない。黒さんと来ていて良かった。
どっちも詳しくないけど(笑)。

なんとか下り口を見つけ、苔むしたモチダ谷を降っていく。
この辺りの景色は言葉にならないほど美しかった。
僕らは安定のロストを繰り返し、やっと三里河原との分岐点へ。
これを左手に曲がり、これまた美しい三里河原を歩く。
ワラーチに履き替え、足首ほどの水位の浅瀬をジャブジャブと進んだ。
気持ち良いなんてもんじゃない!永遠に歩いていたいくらいだった。

水位が増してくると岸に上がり、また浅瀬で川に入るを繰り返し、権七小屋谷を目指した。
途中、渓流釣りの人に道を尋ねながら進むのだが、いまいち「ここが権七小屋谷!」という場所を見つけきれない。
ウロウロしているうちに陽も暮れてくる。
諦めて「ここを俺たちの権七小屋谷としよう」と決め、なんでもない場所でテントを張った。
ろうそくの灯が消えるかのように、すぅっと辺りが暗くなっていく。
夜の訪れは都会よりも速い。

まるで子供がおもちゃを見せ合うかのように、持ってきた自慢の食い物や酒を並べる。
この場所で食べるために、わざわざ15kgもの重量を担いできたのだ。
重さが旨味に化けたかのように、何を食べても格別に美味しかった。
ビールやワイン、トマトを川で冷やし、無くなるとヘッドライトを点けて取りにいく。
川の音がする方向へ、暗闇の中をゆらゆらと進む灯り。
上空では風が吹いているのだろう、樹々がきしむ音がする。
なんとも幻想的な夜だ。

用意してきた食い物も酒も底をついてしまった。
最高の宴が終わり、僕らは寝床についた。

終了時間を夕方5時ということだけ決めて、大濠公園をひたすらグルグル走る、合同自主練「OHORI PARK 100」というイベントをやりました。スタート時間はそれぞれ何kmを何時間で走るかで設定。僕は100km・12時間を目標に5時から走りました。60kmまで順調に行くも、だんだんと疲労により失速。結果は85kmと、またもやウルトラランナーにはなれませんでした。

7trails(セブントレイルズ)
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